2020-05-11

高名の木登り

名字をよく五十嵐と読み間違えられる五十部です。

 

生徒からよく、古典の勉強方法について聞かれます。文法や単語、色々と覚えなければいけないことは確かにありますが、何よりも大切なのは、古典特有の世界観や価値観を知ることです。これは、他言語の学習において、文化や慣習、考え方の違いを知ることが大切なのとよく似ています。

 なので、古典勉強の取っ掛かりとしては、読みやすい漫画からスタートするのが良いと思います。『マンガ日本の古典』を筆頭に、『あさきゆめみし』『うた恋い。』など、古典の世界を舞台にした漫画は色々とありますので、子どもの頃に少しでもこういった作品に触れて古典の世界に短期留学しておくことは、高校生や大学受験生になって、本格的に古典の勉強が必要になった際の大きな助けとなってくれることでしょう。

 

さて、古典の名作の一つである兼好法師の『徒然草』に、「高名の木登り」というお話があります。

木登り名人が、人に指示して木の上で梢を切らせていたところ、高く危ないところにいるときは声をかけず、木から降りる際に軒ぐらいの高さになったところで、「気をつけて降りるように」と声をかけます。それを見ていた兼好法師が不思議がって、「今なら飛び降りることもできるのに、なぜそのように言うのですか」と尋ねます。そうすると名人は、「高く危ないところにいるときは、自分で怖がり気をつけるから何も言いません。失敗は、簡単なところになって必ず起こるものです」と返します。

 

 愛知県でのコロナ感染者数も一桁台が続き、事態は収束に向かいつつある、そんな空気になってきてもおかしくない状況です。しかし、コロナに限ったことではありませんが、こういうときこそ特に危ないのだ、という意識を常に持つように、何事においても心掛けたいものです。

 

 

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